暑中見舞いの基本を押さえよう!
シーン別・相手別の例文

暑中見舞いを送るのは、ハードルが高いイメージがありますよね。しかし、書き方のポイントさえ押さえれば、送る相手に合った気の利いた文面を簡単に作成できることをご存知でしょうか。1通の暑中見舞いを送ることで、上司や取引先に好印象を持ってもらうことや、遠方の知人と交流することができます。この記事では、暑中見舞いを送る時期や書き方、シーン別・相手別の例文をご紹介します。

暑中見舞いの基本と気を付けたい4つのポイント

暑中見舞いを出す前に、基本とポイントを押さえておきましょう。
ここでは、

をそれぞれ詳しく解説します。

暑中見舞いは7月初旬から立秋までに投函しよう

暑中見舞いとは、7月初旬から立秋前日(8月6日ごろ)までの1年で最も暑い時期に出す手紙のことです。夏真っ盛りの暑さが厳しい時期に、日頃なかなか会えない友人や知人、お世話になっている人に近況報告や安否伺いをする挨拶状の役割を持ちます。「お中元のお礼」「結婚」「出産」「転居」などの報告にも適しています。また、企業やショップからのイベントやセールのお知らせとしても活用されます。顧客や取引先に対して暑中見舞いを送ることもおすすめです。

立秋を過ぎてから出す場合は、「残暑見舞い」の扱いになります。残暑見舞いも、暑中見舞いと同じく近況報告や安否伺いをする役割を持ちますが、出す時期が異なります。残暑見舞いは、暦の上では秋を迎えても、実際は厳しい暑さがまだ続いている時期に出すため、お盆休みにゆっくり書きたい方に向いています。残暑見舞いを書く際には、「立秋が過ぎたこと」や「まだまだ暑さが続いていること」についての文言を入れましょう。
残暑見舞いは、一般的に8月末までに出すものです。どうしても遅れてしまった場合は、「拝啓・敬具」を用いて、通常の手紙で季節の挨拶状を送りましょう。

暑中見舞いは基本を押さえて構成しよう

暑中見舞いを書く際は、下記の5つの必須項目を入れる必要があります。

  • ①「暑中見舞い申し上げます」

    暑中見舞いは、「こんにちは」「さようなら」などの頭語・結語は用いません。また、一般の手紙に用いる「拝啓」「敬具」も不要です。「暑中見舞い申し上げます」の文は、他の文字より大きめに書くことによって、見栄えを良くしましょう。

  • ②時候の挨拶

    時候の挨拶は、暑中見舞いを出す時期や、相手の住んでいる地域の状況に相応しいものを選びます。相手が置かれている状況を踏まえた上で、相手の安否を気遣う文章を用いるのが適切です。暑中見舞いでは、「梅雨明け」「暑さ」などについて述べ、そのキーワードとともに、相手の健康などの話題に触れましょう。

    例:梅雨も明け、暑さの厳しい日々が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

  • ③自身の近況報告

    自身の近況報告は、相手との関係に合わせて書きましょう。具体的な内容にすることも大切ですが、相手が目上の場合は、当たり障りのない文がおすすめです。

    例:当地は冷夏のため、今年は家族一同元気に過ごしております。

  • ④結びの言葉

    結びの言葉とは、暑中見舞いでは、相手を気遣う言葉を指します。一番伝えたいこと、即ち、「相手への気遣い」や「感謝」を述べて締めくくりましょう。

    例:まだまだ暑さは続きますので、くれぐれもご自愛ください。

  • ⑤日付

    暑中見舞いに用いる日付は、「盛夏」です。「盛夏」とは、”夏の暑さが真っ盛りの時期”という意味を持ちます。文の最後に、「令和〇〇年 盛夏」または、「令和〇〇年七月」と記します。

また、印刷ハガキを使用する場合にも、必ず手書きで一言添えましょう。手書きが1文でも添えられていると、受け取った人も好印象を持ちます。

時候の挨拶は相手の立場に注意して使おう

暑中見舞いで時候の挨拶をする際は、相手の立場に注意しましょう。離れた土地に住んでいる人に送る場合は、同じ夏でも気候が同じとは限りません。自分が感じているその時の季節感を書くことも基本の1つですが、相手が住んでいる土地柄や気候に合わせて表現を選べば、相手を思いやる気持ちが伝わります。
時候の挨拶を述べた後に、相手の健康を気遣う言葉を続けましょう。お世話になった人には、感謝の気持ちを添えるとなお良いでしょう。

暑中見舞いでは、時候の挨拶と安否伺いを1つの文章で伝えることも少なくありません。例として、一般的に用いられる「毎日暑い日が続いていますが、おかわりございませんか」という文が当てはまります。

また、暑中見舞いは年賀状と異なり、相手を気遣う便りのため、相手が喪中であっても送ることに差し支えありません。

正確な日付は書かないようにしよう

暑中見舞いでは、正確な日付は書きません。年数の下に、一番暑い夏の盛りを表す「盛夏」と書くのが一般的です。主な書き方としては、「令和〇〇年 盛夏」「令和〇〇年七月」などがあります。また、縦書きの場合は、年号を漢数字で書くという決まりがあるため注意しましょう。なお、残暑見舞いでは、「晩夏」「立秋」「葉月」などの季語を用います。

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暑中見舞いの文面サンプル ~シーン別~

暑中見舞いは、一般的な近況報告だけでなく、会社関係者への連絡やお中元のお礼状など、様々なシーンで用いられます。
ここでは、以下の4つのシーンで用いる暑中見舞いの文面サンプルをご紹介します。

ビジネスシーンで

会社関係者や取引先に宛てる暑中見舞いの例をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
貴社益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。何卒健康には十分ご留意ください。
今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
貴社の益々のご繁栄、ご発展をお祈りいたします。

 令和○○年 盛夏

〒000-0000
○○○○○○○○○○○○○○○
TEL:○○-○○○-○○○
FAX:○○-○○○-○○○

株式会社 ○○○○○
代表取締役社長 ○○○○○ 

送り状を兼ねて

送り状を兼ねた暑中見舞いの例をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
平素より何かとお世話に与りまして、心より御礼申し上げます。
つきましては、本日、心ばかりの品を別送させていただきました。
ご笑納いただけましたら幸いに存じます。
今後とも何とぞご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
本来ならばご挨拶に伺うべきところ、失礼をお許しください。
暑さ厳しき折、ご健康にはくれぐれもお気をつけくださいますよう、お祈り申し上げます。

贈答品へのお礼を兼ねて

贈答品へのお礼を兼ねた暑中見舞いの例をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
【相手氏名・敬称】には日頃なにかとご配慮を賜り、ありがとうございます。
さて、先日はお心のこもったお中元の品をお送りいただき、誠にありがとうございます。
何よりの好物、ありがたく拝受いたしました。
暑さ厳しい折から、ご自愛のほどお祈りいたします。
取り急ぎ、暑中お見舞いかたがた、お礼のご挨拶とさせていただきます。
なお、別送の品は軽少ながら感謝のしるしでございます。お納めいただければ幸いに存じます。

近況報告を兼ねて

近況を兼ねた暑中見舞いの例をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
今年は冷夏と言われ、いま一つカラッとしない天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私どもは家族一同、いたって元気に過ごしておりますのでご休心ください。
今のところ平年より気温が低いとはいえ、まだまだ暑さも続きます折、なにとぞ御身お大切にお過ごしください。

暑中見舞いの文面サンプル ~相手別~

暑中見舞いは、相手を気遣うことを目的とした便りのため、送る相手の状況に合わせた内容にすることが重要です。
ここでは、

に送る場合の例文をそれぞれご紹介します。

上司・恩師

職場の上司や学校の先生など、目上の人へ宛てた暑中見舞いの例文をご紹介します。

<上司>

暑中見舞い申し上げます。
厳しい暑さが続いておりますが、ご健勝のことと存じ上げます。
日頃は何かとお世話になり、またお心にかけてくださいましてありがとうございます。
今夏も一層の努力を重ねていく所存です。
ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
酷暑のみぎり、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

<恩師>

暑中お見舞い申し上げます。
厳しい暑さが続いておりますが、お元気でお過ごしのことと存じます。
おかげさまで私の方は暑さにも負けず、今年も家族でキャンプに行く予定です。
今年の夏は例年にない暑さかと存じます。どうぞ、くれぐれもご自愛くださいますよう、お祈り申し上げております。

親戚

目上の人かつ近しい存在である親戚に宛てた暑中見舞いの例文をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
寝苦しい日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私たちも、暑さに負けぬよう頑張っております。
まだしばらくは厳しい暑さが続きますが、体調にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

友人

遠方の友人に宛てた暑中見舞いの例文をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。
暑さもいよいよピーク。〇〇さんのことですから、厳しい暑さにも負けず、変わりなく過ごしていることと思います。
私はまだ下手なゴルフを続けているせいか、今のところ暑さは平気です。今年の夏は避暑地にでも行って、一緒にラウンドしたいですね。
まだまだ暑さは続きますが、たまには体を動かして、健康には気をつけましょう。

【文例】暑中見舞いの挨拶文:ビジネスシーンかどうかで使い分けよう

ここでは、暑中見舞いに書くべき内容のうち、時候の挨拶とそれに続く先方の安否を気遣う文章について、まとめてご紹介しています。暑中見舞いは、相手に合わせた文章を書くことが大前提ですが、特に「挨拶文」はビジネスシーンかそうでないかによって使い分けをすることが重要です。

一般

一般の暑中見舞いに用いられる挨拶文の例文をご紹介します。

  • 炎暑ことのほか厳しい中、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。
  • 厳しい暑さの毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。
  • 暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
  • 梅雨が明けたとたんに猛烈な暑さとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
  • 今年の夏は例年になく天候不順で蒸し暑い日の連続ですが、お元気でお過ごしでしょうか。

ビジネスシーン

ビジネスシーンの暑中見舞いに用いられる挨拶文の例文をご紹介します。

  • 連日の酷暑ですが、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。
  • 炎暑の折、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
  • 炎暑いよいよしのぎ難くなりましたが、貴社ご一同様のご健勝をお祈りいたします。
  • 暑さことのほか厳しき折柄、皆様のご健勝をお祈りいたします。
  • 皆様方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

まとめ

暑中見舞いを出す際は、投函時期・基本構成・相手への気遣い・日付のルールに気を付け、相手に合わせて適切なメッセージを書くことが重要です。暑中見舞いを出す時期を過ぎてしまったら、残暑見舞いや通常の便りとして気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。暑中見舞いをせっかく出すなら、基本的なマナーを踏まえて、相手の気持ちに寄り添った文面にできると良いですね。

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